• 中途入社

僕は圧倒的に「0→1」タイプ。
1から100を作るより次の0を探す。

松本 健
株式会社リクルートライフスタイル
ネットビジネス本部
プロダクトマネジメントユニット
データサイエンスチーム
データサイエンティスト
2007年中途入社

なぜその人は買わなかったのか?
深層にあるカスタマーの
意思分析にチャレンジ。

データサイエンティストとして、具体的にどんな仕事をしているのですか?

「じゃらん」のインサイトまわりの分析をしています。例えば、いつ誰に何ポイント付与すると高い効果が得られるかなど。まさに今、予約しようとしている人にポイントをあげてしまったら、旅行の原資になってしまうので、マーケティング効果は薄い。一方、特に予定がなくてもポイントをもらったことで、「このポイントで予約しよう」という気持ちが生まれ1,000円分の広告効果になり、予約確率が伸びるわけです。ところが、長くこの機械学習的なアプローチを続けると、うまくいかない層が出てリピートが減ってきます。そんなときに立ち戻る土台や拠りどころをここ1年ぐらいは作っています。データの中に潜むカスタマーのインサイトを見つけ、なぜその人はその商品を買わなかったのか。深いレベルで分かれる意思決定を、とことん分析することにチャレンジしています。

入社前のお仕事や専攻を教えていただけますか?

マーケティングリサーチ会社にいました。企業から依頼された課題を分析し解決する仕事で、リクルートはそのときのクライアントでした。大学時代は数学と物理を足して2で割ったような学科に所属していましたが、だんだん数学のほうが面白くなってきてその後、統計を専攻して4年間ベイズ統計学を研究していました。卒業したらSIerになるか、学校の先生になるかのどちらかが多くて、同期の半分ぐらいは学校の先生になりました。ただ、せっかくなので数学や統計が活かせる会社で働きたいと思い、企業に就職することにしました。

数ある企業からリクルートを選んだ理由はなぜですか。

リクルートの人は分析の使い方や活かし方を知らなくても、「こんなことしたい」という強い要望があって、観点がとても面白いんです。僕のデータ分析のスキルと、その発想力をかけ合わせたらすごいことができそうな気がして。それが理由です。結果的に、何億、何十億のコスト削減とか収益アップのお手伝いができました。
元々、リクルートの人と仕事をする機会が多く、リクルートの社風について、ある程度理解していました。また、リクルートの人と一緒に開発していた案件を通じて、具体的にやっていけるイメージがあったのも大きかったです。

1になるかも分からない
たくさんの0。
数学や統計を使えばどんな難問も1になる。

松本さんご自身は、「0→1」「1→100」のどちらに当てはまると思いますか?

完全に「0→1」ですね。1を100にするよりは、次の0を探しに行く方が得意です。前職では、様々な企業の分析者やマーケターが手に負えないような難しい問題の解決を依頼されていました。どうやってかたちにするか、分析するかも分からない状況の中で、数学や統計を使って、彼らの要望に応えていく。また、それが利益に貢献したり、コスト削減に貢献したりしていく中で、0から1を作る仕事が自分に合っていると感じたのです。数学や統計のスキルを使えば解ける問題が、世の中にはたくさん眠っているし、そういうことをするのがすごく楽しい。
一方で、「1→100」のような考え方の人がいるからこそできることもある。たとえば、リクルートにはたくさんの事業があるので、0から作った考え方を横展開できるんです。「じゃらん」で作ったポイントの仕組みやリスティング広告の最適化を「ホットペッパービューティー」や「ホットペッパーグルメ」に転用する。一事業だけで活用していたものを、10個の事業に展開すれば、インパクトも10倍になります。このボリュームの力はリクルートならではだと思います。

松本さんの仕事を通してリクルートになにか変化はありましたか。

入社前から思っていたんですが、リクルートはやはり頭のいい人が多い。データサイエンティストは、経営的な高い視点を持つ人と組む事が大事なんです。「最近こんな傾向があって、こんな課題があるんだ」といった、彼らのふわっとしたお題をすぐに分析して答えを返すというサイクルのなかで、分析スキルやビジネス感覚を磨いていく。
仕事で関わった人たちの「データサイエンスを使うと良い結果が出る」という体験が広まると同時に、僕たちのような分析者が社内に散らばることでもデータサイエンスのコミュニティーは拡大。疑心暗鬼だったところから、データサイエンスをもっと使っていこうという確信に変わっていく。社内でも、ちょうどビックデータという言葉が出てきた頃から状況は好転し、最近はバラ色の時代です。

では逆に大変だったことはありますか。

最初の3、4年は苦労しましたね。今ではデータサイエンス専門の人材を採用していますが、僕が入社した時は誰もいなかったんです。そんな中、相手の期待値の120%くらいの結果を出し続けることが信頼残高を増やす近道だと思い、分析をしていました。もちろん、その姿勢は、今も大切にしています。

20年先を見据えてMBA取得に大学院へ。
意志さえあれば時間はつくれる。

松本さんが考える、リクルートのユニークネスとは。

リクルートには、どんなものを作れば未来が良くなるかを考える文化があります。「その判断は、未来の子供たちのためになりますか?」と常々言う人がいて、その姿勢が大好きです。僕自身も、特に子供ができてからは、この世の中を少しでも良い方向に改善する仕事や、プロジェクトに貢献できたらいいなと思うようになりました。

世の中に対して、どんなことを発信していきたいと思いますか。

最近は多くの企業でデータサイエンスの導入が進んで、データサイエンティストのような人が増えていますが、本当の意味で成果をあげている会社は少ない。「導入はしたものの、うまくいかない、やめよう」という企業や、何が正しいかが分からない状況で選択した部分が間違っていたために、投資に見合った結果を出せていない企業も見受けられます。そうなるとデータサイエンス自体が使えないものと思われてしまう。一過性のブームで終わらないように、しっかりと成功体験や失敗談などを発信していきたいです。

MBAを取るために大学院に行っているそうですね。

僕が大学院を卒業したのは、かれこれ20年以上前。その後、データサイエンスやビックデータといった言葉も出てきて、その定義や目指す方向も随分変わってきています。ですから、この先20年を見据え、さらなるスキルを身に付けるために去年の4月から大学院に通い始めました。とはいえこれがなかなか大変で。夕方5時半には大学院へ行き、土曜日も大学に通っています。フルで仕事できるのは月曜日のみ、唯一子供と遊べるのが日曜日です。それでも社会人大学院に通っている人は結構多い。後押ししてくれる環境もあるし、意志があれば時間は作れますからね。家族のサポートも必要なので、そこにはとても感謝をしています。

リクルートに入る前のご自身に投げかけたいメッセージはありますか。また、どんな方と一緒に仕事をしたいですか。

リクルートにいる人はある程度で転職や起業をするイメージがありますよね。僕も10年も働くとは思っていませんでした。分析環境にもリクルートで一緒に働く人にもかなり恵まれているからだと思います。10年前の自分にはもちろん、今の学生さんにも、もし新卒で受けるのであればリクルートがいいのでは?と伝えたい。社員だから言うワケではないですが、本当に面白いし、いい会社です。
来て欲しいのは、アルゴリズムや統計手法に溺れることなく丁寧な分析ができる人、データから自分なりに仮説を考え抜ける人、その上で、必要に応じて新たな手法を開発したり、高度な分析にチャレンジしたりする人と働ければと思います。自分も日々訓練中ですが。

PROFILE

松本 健(まつもと たけし)

データ解析
2007年中途入社
今では一般的になったリスティング広告の最適化アルゴリズム開発を先駆ける。リクルートライフスタイルでは、「じゃらん」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」「ポンパレモール」などの運用や利用の業務システムデータを扱い、レコメンドエンジン、メールのターゲティングの仕組みを作成。さらに、カスタマー自身のインサイトの理解、購買構造の把握と需要予測を行う。