入社3年目の大学同期生チームが『Ring』グランプリを獲得。新事業の創出を基点に、新たな未来を思い描く

入社年次の浅い若手も事業のアイデアを自由に提案でき、可能性が認められれば事業推進のバックアップも惜しまない。それがリクルートの新規事業提案制度『Ring』である。例年1,000件規模の応募を集めており、62期(2021年応募)を見ても1次審査の通過率が4%という難関だ。

61期のグランプリに輝いた『Alumy』は、企業と退職者の新たな出会いを作るカムバック採用代行サービス。受賞したのは同じ大学、同じゼミで学んだ3名のメンバーだ。事業化に向け準備を進めるメンバーに、Ringに応募した経緯、受賞に至るまでの試行錯誤を存分に語ってもらった。事業化に求められる要素を満たすべく試行錯誤を続けたメンバーの奮闘、そして周囲のサポートを聞き、多くの若手社員が目指す事業立案の登竜門について掘り下げていく。

PROFILE

金田 知樹

#プロジェクト統括
『Ring』61期グランプリ『Alumy』のプロジェクト統括を担当。入社1年目より、財務として従事。リクルートグループで実施するM&Aにおけるファイナンス面のリスク管理・国内の資金管理にあたっていた。合理性を重視し、前例にとらわれず物事を推し進めるタイプ。

鈴木 康誠

#商品企画
立ち上げ段階から『Alumy』の企画を担当。入社1〜2年目の主務は旧リクルートキャリアにてエージェント事業での事業企画や、アライアンス事業での商品企画を担当。顧客の気持ちを受け入れ、なおかつ新しい視点を取り入れていくタイプ。

小町 俊樹

#顧客接点
就職領域『リクナビNEXT』で営業担当として従事し、営業経験を生かし『Alumy』における顧客折衝・社内リソース獲得などをメインに担当。顧客の気持ちに寄り添い、物事に対して柔軟に対応していくタイプ。

同学部・同ゼミからリクルートへ。成長できる環境を志した思い

金田知樹(プロジェクト統括)

『Ring』とはどのような制度でしょうか? 3年目で応募したということは、やはり、入社時から意識していたのでしょうか?

金田Ring』とはリクルートグループ会社従業員を対象にした新規事業提案制度です。1982年に『RING』としてスタートし、1990年『New RING」と改定され、2018年に『Ring』としてリニューアルしたという経緯があります。ただのアイデアコンテストではなく、事業化が本当にできるか突き詰められるシビアな制度として知られます。

Ring』の起案は若手社員が目立ち、入社した新人の多くはこの制度を意識していると思いますね。僕も入社前から存在を知っていただけではなく、実はリクルートのインターンをしていた大学生の時に1回応募した経験があります。

鈴木僕も同じですね。インターンに参加していた当時から興味を持っていて、入社したら起案してみたいと考えていました。

小町学生時代からビジネスを創ることに興味を持っていたので、リクルートに入ったからには『Ring』に挑戦したいと思っていましたね。

『Ring』にはどのようなきっかけで応募することになったのでしょうか。

金田僕たち3人が出会ったのは、大学のゼミなんです。学部全体で1,000名以上いる中、ゼミ生は15人程度ですから、結構な確率での出会いですよ。指向性が似ていたので意気投合しましたが、就活を経て、まさか同じ企業を志すとは自分たちでも驚きですが。

僕はコーポレートの財務部門に配属され、M&Aにおけるファイナンス面のリスク管理や資金管理を担当していました。2人とは仲が良かったとはいえ、入社後はみんな忙しくなり、四半期に1度ぐらい会う程度になっていました。Ringに向けた予兆があったのは、入社2年目の11月、3人で静岡に小旅行に出かけたときのこと。「とにかく目の前の仕事を頑張っているけど、本当にこのままでいいのか?」という問題意識が頭をもたげてきて……まずは行動を起こそう! ということで一致したんです。そこで、まずは鎌倉に家を借りて1月頃から共同生活をスタートしたんですね。

それがアクションを起こすきっかけだったんですね。

金田そうですね。どんなプロジェクトであっても、前例や慣習にとらわれることなく、本当に価値があることは何かというのを突き詰める姿勢に共感し、リクルートへの入社を決めました。共同生活で、その思いにあらためて向き合いたかったんです。そんなとき、2月に同じ2年目の同期が『Ring』に出場していたので発表を見に行ったのですが、応援しに行ったはずなのに、準グランプリの獲得を目の当たりにして衝撃を受けました。初めて悔しさでお腹が痛くなりましたね(笑)。自分たちもこれがやりたかったんじゃないか? 『Ring』に意識が向き始めたのはそこからです。

小町僕は入社直後に採用チームを経験し、その後は『リクナビNEXT』の営業に携わっていました。『Ring』を強く意識したのは金田と似ています。準グランプリを獲得したその同期は、学生時代に同じインターンに参加していたんです。だから余計に「同期なのにこんなにも差が開いてしまったのか」という悔しさもあって、自分も挑戦したい! そう考えるようになったんです。

鈴木康誠(企画)

鈴木僕はHR領域の商品企画に携わっていて、目の前の仕事に没頭していましたが、金田、小町との小旅行で感じたのは、リクルートにいるからにはさらに能動的に動き、貴重な経験を得たいという思いです。学生時代はさまざまなインターンに参加していたのですが、リクルートは画一的な物差しで見られたり、それを求められたりすることがなく、個性やありのままを見ようとしてくれるスタンスを感じ、そんな環境であれば自分らしさを伸ばしていけると考え入社を決めました。その象徴とも言える取り組みのひとつが、社員なら誰でも応募できる『Ring』です。自分たちの力を信じ、応募にチャレンジしてみようと持ちかけたら、2人はすぐに応じてくれました。

金田僕たちは「自分たちが創出した価値を事業にし、その事業を自分の仕事にする」というのが共通の想いにあったので、そこをゴールに置きました。

お互いの特質を知り抜くからこそ、自然に役割分担ができた

『Ring』の起案は「2人以上」というのが条件、つまりチームでの挑戦になります。『Alumy』チームの3人の役割について教えてください。仲が良かった3人だけに、自然に役割分担が決まっていったのでしょうか。

金田僕がプロジェクト全体の統括を担当し、企画は鈴木、顧客接点については小町が担当しました。

鈴木は顧客の声に重きを置きつつも、企画を現実に沿ってドライブさせることに長けています。小町は営業職だったこともあり今回のプロジェクトでも顧客接点を担当し、多くのユーザーヒアリングを重ねました。

自己分析するなら、僕は合理性を重視し物事を進めるのが得意です。プロジェクトマネジメントには向いていたのかもしれません。

自分たちの仕事に変化を起こし、新たな事業を創出したい。メンバーの意志が固まったところで、まずはどんなアクションを起こしていきましたか?

金田たまたま企画が通過するのを期待するのではなく、絶対に1次審査を通過すること。それが僕たちの目指すものでした。だから、そのための戦略を描き、着実に実行していったのです。そこで生まれたのが、1次審査通過が4%なら、約20件起案すればいいという発想でした。3人で考えたアイデアは優に200~300を超すでしょう。結果として、1次審査には16案を提出し、3案が通過しました。『Ring』では複数案を出すのはある話ですが、さすがに16案を出したチームは他にはなかったかもしれません。

小町俊樹(顧客接点)

3案のうちグランプリを獲得した『Alumy』はどのような着想で生まれましたか?

小町アイデアの種を見つけたのは僕ですが、『Ring』提出に足るアイデアに昇華させていったのはほか二人の協力があってこそです。

僕は『リクナビNEXT』の営業に従事する中、積極的に採用するものの、翌年にはその半数以上が会社を去ってしまうという、ある大手企業の現状を目の当たりにしました。人事担当の「元社員が、即戦力かつ定着もするために一番採用したい人材」という本音を聞いて、カムバック採用の支援ができないか、と考えたのです。その気づきをベースに海外の事例も含め徹底的にリサーチし、退職者と再び協働するカムバック採用、つまり『Alumy』の原初アイデアが生まれたのです。

鈴木入社以来、僕は一貫してHR領域の企画に携わっていて、サービスを通じて取り組んできました。一方、「その会社が本当に自分に合うかどうかは、入社してみないとわからない」ということもあり、転職をためらってしまう方、後悔してしまう方も多いという事実に直面しました。そのため、もしカムバック採用が一般化すれば、転職者の挑戦を後押しし、またセーフティネットにもなり、転職がうまくいかないかもしれないという「不」を解消できるという期待があったんです。これはスカウトサービスとエージェントサービスのミックスとして昇華できるかもしれない。『Alumy』を磨く上で、HRサービスの企画で積んだ経験が活かせることにワクワクしていました。

金田いいアイデアには追い風になる要素があるものです。海外ではカムバック採用が一般的になっており、日本でも一部の先進的企業が取り組んでいます。だったら、それを横展開する余地は十分にあるだろう、と。昔と比べて転職が一般化し人材が流動化し始めている現在の風潮も『Alumy』の後押しになるはずです。そして何より、僕たちが働くリクルートには卒業した後、二度・三度と戻ってきて、活躍している方々が多くいらっしゃる。

2次審査を通過すると事業化の検討が視野に入ります。1次審査を通過した3案はどのようにブラッシュアップしていきましたか。

金田『Ring』は例年4月〜6月に公募され、9月に1次審査結果が発表。11月に2次審査、12月には最終審査が行われます。この時点で事業化の検討に入ってアイデアをブラッシュアップさせ、翌2月のRing AWARDでの全社プレゼンを経てグランプリが決定という流れです。

僕たちが最も時間と労力を割いたのは、1次審査から2次審査に向けて完成度を上げる作業でした。主務の仕事があり、それぞれ忙しかった。当初は1人が1アイデアを担当してリードしましたが、途中からは最も可能性を感じた『Alumy』に軸足を置き、3人が総がかりで取り組みました。

小町2次審査を通過するためには、「このサービスがなぜ今できていないのか」だけでなく、「本当にやったほうがいい理由」も明確にしなければなりません。そこで、量・質の両面から精度をあげられるよう、僕がフロントに立ち、顧客の声の迅速な収集に注力しました。

その声を元に、要因を合理的に見極めるのは金田、鈴木の担当です。2人と役割分担をしつつ、それぞれの強みを生かしながら案をブラッシュアップしていくことができたことが2次審査を突破できた要因だと思います。

金田仮説をシャープにすることを念頭に置き、このフェーズでは顧客や利用像の拡大が進みました。原初アイデアでは正社員雇用を前提としたサービスを想定していましたが、ある社外ヒアリングで気づきが得られました。その企業は長期・大規模システムを開発するビッグプロジェクトが多く、離任してしまった開発者の意図を汲み取ったコードの読解に時間を要することがあるというのです。そのような現場では、『Alumy』は退職者にスポットでコンサルティングをお願いする場面でも活用できるはず。そこから業務委託やアルバイトへの活用も見込めるようになりました。

また、2次審査までは『Alumy』はSaaSとして考えていました。しかし、2次審査と最終審査を経る中で、北村社長から「忙しい人事がSaaSをもう一つ導入するのか?」という指摘が入ったんです。そこで、サービスとクライアントの間に運用スタッフが入り、丁寧に双方をつないでいく利用像に思いが至りました。企業が利用する際のハードルが下がり、市場規模はさらに大きくなっていくという試算も出ました。審査におけるリアクションを経て、『Alumy』はサービスとして確実に進化を遂げていったんです。

鈴木僕が力を入れたのは、リクルートにいるカムバック社員へのインタビューでした。そのヒアリングで分かったのが、退職者も「前職に戻る」ことに心理的なハードルがあるということです。カムバックに気まずさ、切り出しにくさがあったら、システムでのマッチングは容易ではありません。だったら、人が丁寧につないでいくサービスにピボットしていこう。その変化こそ、カムバック採用の心理的障壁を除く切り札になるはずです。

日本の労働を変える。その情熱がプロジェクトを進めていく

2次審査を通過し、全社プレゼンのグランプリに向けては、どのような課題がありましたか。

小町全員が3年目の若手社員ですから、主務で任されている仕事も多いので、体力と時間との戦いがありましたね。新規事業はどこまでいっても正解がわからない。自分たちが満足し、本当にこれだという納得するまで考え抜くことは大事にしていました。

金田体力と時間の問題は確かにありました。僕はプロジェクトのリーダーとして、それぞれの仕事の予定を勘案しつつ、チームとして総出力が落ちないようにマネジメントしました。小町の言う通り、確かに新規事業取り組みには正解がありません。どこまでやったらOKという指標がない中、できるところまでやり、足りない部分は誰かが埋める。これをやりくりしながらRing AWARDまでの2か月を走りきりました。

プロジェクトに追い込みをかける中、主務業務にも追われる。メンタル的にも厳しかったのではないですか?

金田とはいえ、感情的なぶつかりにはなりませんでしたね。たとえば作ってくれた資料を一部しか採用しないなど、ある意味ではシビアに進めましたが、これも目的意識の高さゆえのこと。グランプリ獲得や、有名になりたいといったモチベーションじゃありません。僕たちが共通して思っていたのは、「この1年で『Alumy』を今後の自分たちの仕事にする」という強い思いです。審査通過の確率を1%でも上げる努力なら何でもやる。それが暗黙の了解になっていました。

鈴木納得しなければ進めない僕としては、起案2日前に発表資料をボツにし、リスタートさせたこともありました。ただ、みんなが思っていても言えずにモヤモヤする中、切り込んでいくのが自分の役割でもあると思っています。

小町金田、鈴木が納得するまでとことん付き合おう。それは心に決めていました。2人の仮説検証に信頼を置いていたからです。僕は自分にしかできないことに注力して目的達成のために必要なことは惜しまずにやる。そんなチームワークが僕たちを支えていましたね。

周囲のサポートはいかがでしたか。

金田3人とも、上司や部署のメンバーに応援してもらったという気持ちは強いですね。「『Ring』に起案するんです」と言ったら、みんな面白がって協力してくれて、時には業務時間を割いてまで協力をいただきました。これも、『Ring』というプロジェクトが風土として根づいているからではないでしょうか。
同期の協力もありがたかったですね。意見を聞くためにアンケートをグループチャットに投げたら、20人~30人単位のフィードバックがすぐに集まりました。また、リクルート内のカムバック社員には全社メールを活用してアクセスし、多くの方にヒアリングの機会をいただきました。社内外を含め、100人以上の方々に多くの時間を割いていただいたことには、大きな感謝しかありません。

グランプリ受賞の決め手を自分たちで分析するといかがでしょうか。

金田人の心を動かす起案にすること、その難しさを痛感しました。Ring AWARDの直前は最も悩み抜き、資料はバージョン20に到達したほどです。僕は投資判断を促す起案は得意だと思っていましたが……人の心をどう動かせるかを考えるのは鈴木、小町が得意とするところ。2人の意見を取り入れ、完成度を上げていったことが評価されたのでしょう。

鈴木プレゼンを聞いた人が「それは確かに必要だ」と感じ、ワクワクするような提案を考えていきました。「自分が辞める時は登録しようか」と思ってもらえるようなサービス、そのポイントを伝えるものとなっていたことが評価されたと考えています。リクルートのHRサービスで『Alumy』はどんな意義を持つのか、なぜ今やるべきなのか、誰のためになるサービスなのか――その言語化を考え抜きました。

小町カムバック採用のサービスは顧客の声から成り立つものです。だから、顧客接点を担うメンバーの希望になるようなプレゼンができればと考え、営業の視点に寄り添って「困っている顧客をいかに助けるか」を中心に考えていきました。その点も加わったことが評価されたのではないかと考えています。

「日本の働き方を変える」――思いと視線は、その先の未来に向く

グランプリ受賞後、事業化に向けてどのように取り組みを進めていますか。

鈴木2月にグランプリを獲得し、2021年4月に3人とも新規事業開発業務へ兼務異動となりました。8月末には最初の投資判断を通過し、10月には主務異動。実際にプロダクトを作ってお客様に使用していただく実証実験に、12月にはリリースと順調に進んでいます。

社内向けにプレゼンをするのもすごく大事ですが、僕たちがやりたいのは、世の中に出して誰かに喜んでもらえること。応援してくれた方々にもやっと結果として返すことができますし、誰かに喜んでもらえるプロダクトに取り組むというワクワクが自分たちを動かしています。

金田受賞の瞬間はめちゃめちゃうれしかったですよ。だけど、受賞の余韻を味わうのもつかの間、翌日からはプロダクトの作り込みについて話し合っていました。

Ring応募から採択、事業化への取り組みに向かう中、チームはどのように成長しましたか。ご自身とメンバーの進化ポイントについてお聞かせください。

鈴木これまではいち事業、いちサービスのメンバーとして企画に取り組んできました。『Alumy』はゼロから創り、自分たちの意志がそのまま反映されるものですから、自然にプロダクトオーナーとしての視座が持てているように思います。このサービスで日本の働き方を少しでも変えていけるといい。そのために僕たちには何ができるか、どういうリソースが必要なのか、自然に思いを巡らせるようになりました。これは3人に共通していること。お互いに成長を実感しています。

自分個人としては、サービスの意味、言葉を追求することを強く意識し、伝えていくスキルを伸ばせたように感じます。企画から実行までをワンストップでやり切ることができました。

金田僕が働いていた財務の部署は個人で取り組む業務が多い。だけど、新規事業の創出は自分だけでは手が回りません。小町のアウトプットを信じ、鈴木の企画の筋を信じる。Ringを通して感じたのは、メンバーを信頼することの大切さです。メンバーを信用し、チームとして進む醍醐味を知った。これは自分の中ですごく大きな変化になりました。
「5年後の『Alumy』がどうなっているか」――未来に向けて何をするべきかという課題意識を持ち、より俯瞰した視点でプロジェクトを捉える視座の高まりも感じています。

小町僕はビジネスでの主語が「I」から「We」に変わったと考えています。以前は「自分」だけの視点で業務を捉え、取り組んでいたようにも思います。だけど、『Ring』への挑戦を通して、高い視座で考えなければならない局面を何度も経験しました。そこで感じたのは、「自分たち」が事業のために何をするか、事業を主体として考えることの大切さです。ここで体得できた俯瞰的な視点は、事業の創出にも大いに役立っていくはずです。また、『Ring』への挑戦を通し、企画や資料作りにおいてもスキルや思考法を体得したように思っています。

『Alumy』の今後の進路はいかがでしょうか。

金田カムバック採用は日本ではまだ当たり前のものではありません。そのため、『Alumy』の導入企業、対象者を増やすことだけを考えては行き詰まると思います。採用において「カムバック」という視点を浸透させることもすごく重要。カムバック採用文化の醸成、サービスの発展を両輪で回していかなければなりません。

最後に3人のキャリアビジョンをお聞かせください。

金田直近の目標というと、『Alumy』に力を注ぐこと、それだけですね。このサービスが一段落したら、また新たな「0→1」の事業創出に取り組んでいけたらうれしいですね。

小町僕もまずは『Alumy』で新しいマーケットを創ることに挑戦しています。そしてもう一つ、新規事業に限らず人の才能を開花させる、可能性を信じることに挑戦してみたいです。営業に取り組んでいたときから、多くの人の教えを受けて今の僕があります。その感謝の思いとともに、次は自分が継承し、後世に伝えていく番です。今後は組織マネジメントにも取り組んでいきたいですね。

鈴木「退職者の再雇用に意味を見出しづらい」「一度出た人間を戻らせるのは難しい」という声も聞きます。だけど、「女性の社会進出は困難」「転職なんて負け組」などと言われた時代もあった中、常識を覆し、変えてきたのがリクルートです。だから、僕たちは起業してプロダクトを創るのではなく、ここリクルートで『Alumy』に取り組むことを決断しました。このサービスを普及させ、カムバック採用に関するネガティブな空気を変えていく。それが自分たちの役割だと思っています。

常に何かに熱中し続け、変わり続けたい――そんな思いで連帯し、共闘するのが僕たち3人です。だからこそ、お互いを刺激し、突き上げ続けられるメンバーでありたい。その思いは変わりません。今後、『Alumy』が成長するにつれて新たなメンバーも加わってくるでしょう。そこから広がる新たな地平、見えてくるであろう世界にもすごくワクワクしています。今後のチームの歩み、進路が楽しみでなりません。

思い出の写真

ルームシェア中の起案会議

日中は主務業務に追われながらもルームシェアという形で時間を捻出して、ホワイトボードを買い込み、夜な夜な事業案を練っていました。
当時は眠い&時間がないで大変でしたが、思い返せば楽しかったな、と部活のような感覚になります。(金田 知樹、鈴木 康成、小町 俊樹)